ピアノ講師 大矢 先生に、子供のピアノ、リトミックについて語っていただきました。
それぞれに合わせたレッスン
これまで、ピアノとリトミックを合わせて100人ほどの子どもたちと接してきましたが、性格はもちろん、音楽に対する反応や成長のしかたも皆さん十人十色です。どのようにピアノと関わっていきたいか、生徒の皆さんの意志はもちろん、お母さまやお父さまともお話させていただき、それぞれに合わせた方針でレッスンさせていただいています。生徒の皆さんが一生を通じて、ピアノはもちろん音楽を好きになれるように、その第一歩として温かい雰囲気で指導しています。
一歩ずつの成長を楽しみに
レッスンを楽しく続けられることが、ピアノを好きな気持ちを育みます。ピアノを弾くことはもちろん、そのために必要な楽典やソルフェージュ(楽譜を読む力)を組み合わせて、小さなステップでやりがいを感じられるよう、指導させていただいています。
音符を読むためには、ひらがなや数字を読めるようになってからが理想的ですが、読譜に入る前にやっておくと良いことはたくさんありますので、小さなお子さんのレッスンもご安心下さい。
「スパイラル・ラーニング」といって、同じ事柄でもさまざまな角度から、らせん状に繰り返し学習していくと、総合的に力が付くと言われています。すぐに上達につながらなくても、何かのきっかけで分かるようになったり、急に理解が進むこともあるので、私にとっても新しい発見の連続です。一歩ずつの成長を楽しみに、レッスンしています。
集中力がもつ時間を見極めて
小さいお子さんの場合、集中力のもつ時間が日によって変わりますので、そこを見極めて、時にはビートに合わせて足踏みしたり、リズム遊びなど月齢に合わせたリトミックを散りばめながら、より充実したレッスンをさせていただきます。遊んでいるように見えても、すべてに目的がありますので、都度ご説明しながらレッスンいたします。
また、ピアノには子ども用の楽器がないので、それぞれの手の発達に無理のないような指の使い方、腕の使い方を指導するよう心がけています。
ピアノで豊かな表現を
ピアノを弾くには、まず楽譜を見て音符を読み、正しい音の高さやリズムを頭で理解し、どんな音が良いかを想像して、そのイメージに合ったタッチで打鍵し、最後に自分の音を聴く、その繰り返しです。いろいろな作業を同時にすることは脳の発達に良いことが、近年証明されています。
それと同時に、嬉しかったこと、悲しかったこと、感動したことなど、様々な感情を表現できるのがピアノです。生徒の皆さんには、いろいろな経験をもとに、普段から感情の引き出しをたくさん持っていただけたらと思います。
強くしなやかな心
ピアノの醍醐味のひとつに、発表会などの舞台で弾くことがあります。ひとつの曲を仕上げて拍手をもらったり、その舞台に向けて頑張る経験をすることで、皆さん自信をつけて、ぐんと頼もしくなります。そして、それまでの頑張りの過程を認めることが一番大切です。成功する体験を積み重ねていくことで、強くしなやかな心を育むサポートができればと願っています。