フラジオレット
楽譜上に解放弦ではないのに「○印」がついている音符を見かけた事はありませんか?こちらは左手の特殊な指使いをする技法です。木管楽器や金管楽器にもフラジオレットは存在するんですよ。通常の音では出す事のできない倍音を利用しています。ここではヴァイオリンのフラジオレットについてお話したいと思います。
フラジオレットは西洋音楽に用いられる、透き通ったような柔らかい音色です。ヴァイオリンを通常では使わない指使いで楽譜上の音符の上に「0」が記されます。日本語では倍音奏法とも言われます。本来ならば特殊奏法なのですが古くから基本的に用いる奏法であった為にほぼ基本的な奏法として現在は定着しました。
ハーモニクスと混同してしまいがちですが、フラジオレットとハーモニクスは左手の使い方も、記譜も違います。
通常、音を出す際は指をしっかりと押さえてと教わると思いますが、フラジオレットは押さえてはいけません。指の腹の部分で優しく弦に置くだけです。そうすると触れた音程の倍音が出るという仕組みです。音程の芯を捉えないと、音色がかすれてしまったり、透明感のある音になりません。軽く触れすぎる、指の角度が急すぎて触れる面積が小さすぎても、透明感のある音にはなりません。
通常の奏法は弦を引っ張りつつ指板上に抑えています。フラジオレットは弦に指を置くだけです。よって押さえたままの位置に指を置くと音程が低くなってしまいますので、少し気持ちだけ上に置くと良いと思います。
フラジオレットを弾く際、気を付けなければいけないのが運弓です。弓のスピードが遅いと振動を止めてしまい響きません。ある程度のスピードで圧力をかけつつ流すように心がけてください。弓を倒すことなく、弓の毛が弦に触れる面積を増やして下さい。そして指板のほうに弓がいかないこと。いつも以上に丁寧にダウンボーイングの弓の返しをする事が大切になってきます。
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