ピッツィカートについて
ピッツィカートは弦楽器特有の特殊な奏法です。右手のピッツィカートと左手のピッツィカート、バルトークピッツィカートと一般的には3種類があります。皆様がよくご存知なのは右手のピッツィカートだと思います。専門的な分野ですがこれを機会に左手のピッツィカートとバルトークピッツィカートについても触れてみたいと思います。
以前は日本語カタカナ表記ではピチカートと表していましたが、最近ではピッツィカートと表される事が多くなっています。
ピッツィカート「piccicato」は弓を使わずに弦を指ではじいて演奏する奏法の事です。譜面上で「pizz.」と略語で書かれています。
こちらは弓を持ったまま人差し指を使って弦を弾く、またピッツィカートの前後に長い休符がある場合は弓を譜面台に置いて弦を弾く、はやいパッセージの場合には親指を指板に固定して弾く等、譜面上に合わせてどの方法を使うか判断しなければなりません。また「pizz.」の後で弓による演奏に戻る場合は必ずアルコ「arco」と表記されています。
イタリアのヴァイオリニストであるパガニーニが導入したピッツィカートです。本来は弦を押さえる為の左指で、その中指や薬指を使用して弦を弾くという非常に高度な技術で譜面上には「+」と書かれています。
素早い速さで連続して行うアルペッジョ・ディ・ピッツィカートと呼ばれる奏法もあります。代表曲はパガニーニのカプリース24番です。
また左手でピッツィカートをしながら、右手はそのまま弓で弾いて2つの違う音色を同時に出すという、もっともっと難しい方法もあります。代表曲はエルンストの夏の名残の薔薇です。
ハンガリーの作曲家バルトークが好んで書いた演奏法の俗称で、弦を弾く際に弦を指板と垂直に強く引っ張ってから離し、弦を指板にぶつけるという演奏方法です。「バチンッ」と音をわざと出すのが特徴です。弦楽器で打楽器のような表現ができるということで、現代音楽、近代音楽には度々登場するようになってきました。
またバルトークはピッツィカートとグリッサンドを組み合わせた奏法も導入しました。代表曲は「弦楽器と打楽器とチェレスタのための音楽」です。お時間があるときに聞いてみてくださいね。面白いですよ。
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