【重要】バイオリン購入にあたって
バイオリンやヴィオラの購入について、ぜひ知っていただきたいことがあります。本ページはレッスンを受ける前にとても重要なので、必ずお読みください。
プロは「ヴァイオリン」と呼びますが、一般の方の向けの記事の為 「バイオリン」表記で統一します。
楽器は、先生と一緒に購入してください
ミナトからのお願いです
便利な世の中です。TV、インターネット等で様々な情報が氾濫しています。なんでもお得に買いたいと思う方にとってはとても多くの選択肢が出来、その感覚が身についている方も多いと思います。楽器は楽器店で選ぶもの、型番を調べて安く買おう・・・そう思っている方も多いのではないでしょうか。
これからヴァイオリンを始める皆様に、まずお稽古をたしなむ上での常識と、楽器選びの難しさともっともお得で賢い選び方を伝えたいと思います。最初に重要なポイントを書かせていただきます。
- 楽器は、先生と一緒に購入するもの、ひとりで楽器店に行って購入しては決していけない
- 初心者で他で手に入れた楽器を使用すると、先生にいい顔をされない。場合によってはレッスンを断られることもある
- 良い楽器を購入すれば、それだけ練習時間が短くなり、早く上達し良い音になる
楽器は、先生と一緒に購入するもの
まずは、意識の面からお伝えしたいと思います。
皆様は、今からクラシック音楽業界という未知の世界に入っていきます。気持ちよく学んで欲しいし、先生にも気持ちよくご指導していただいて、素晴らしい演奏家になってほしい、先生から愛される自慢の生徒になっていただきたいと思うのです。その為に、知っていただきたいことをご紹介させていただきます。
クラシック音楽業界には、様々な常識、共通認識がいくつもあります。自分はああ思うこう思う、という考えは一旦おいておいて、音楽を上達して極めるために、先生方の教えをこおう、というスタンスで読み続けていただければと思います。つまり、変な邪推を挟まずに、素直にこの記事を読んで、なるほどそういうものなのか、とご理解頂きたいと思うのです。
楽器は、先生と一緒に購入するもの。これはミナトに限らず、日本中のどこのクラシック音楽教室にいっても同じです。仮に持ち込みでもいいですかと聞かれましたら、特に友人から譲り受けたものやご自身が初心者向けの物を楽器店で購入したもの等快く思わない先生がほとんどです。
※きちんと前の先生について選んでいた場合は除きます。
その理由などをこれから説明致しますが、特にヴァイオリン初心者の方は、絶対に、楽器店などで「初心者向けの楽器」「SALE!」等いかなる謳い文句の物も一人で買わないでください。
そして、楽器に対してはきちんと筋の通った理由も存在するので、それをご紹介させてください。
楽器を先生と一緒に買うべき理由
楽器店に都合がいいものを買わされない
これはお分かりかと思いますが、楽器店としては売りたい、より利幅が出る商品を売りたいわけでして、店員さんは当然一番利益が出るものをあの手この手で売ろうとします。
第三者であり、あなたのことをよく知る先生であれば、最良の物を選んでくれるはずだからです。
楽器の選び方
まず、後述しますが楽器の価格帯により、GETできる国や音色特性が違います。その基礎知識を先生がいれば教えてくれます。例えば知識なしに買えば、なんとなく中国の物は嫌だからと良質の中国のものを避けてイタリーの高額の物を購入してしまったり。しかし中国産でも音が良いものも多く
しかしながら中国産で粗悪なものもあり、と本当に一概に言えないのです。
大まかなポイントとしては、
- 1~4番線どの線がどういう響き方をしているか、美しいか
- そば鳴りがあるかないか
- 自分で弾いた音はどういう音か
- どう音が飛んでいくか 例えば湾曲して飛ぶのか直線的な音なのか
- 出音(他の人が聞いた音)はどうか
この辺りが重要になってきます。ここらが初心者であれば、絶対に分かりません。楽器店に行くと都合のいいことばかり店員に言われるので、プロを随行させるなり教室で買うなりしてほしいのです。
変な楽器を選んでくるとレッスンの意味がなくなる
最も大きな理由が、「いくらよいレッスンをしても、なかなか上達しないから」なのです。どうしてか?それは、いくら正しいフォームで正しい弾き方を伝えたところで、楽器が悪ければ音が出ないのです。テニスに例えると、ラケットが曲がっているのに正しいスイングをいくら教えても無駄でしかありません。先生もやる気をなくしてしまいます。この記事を書いているのも、ヴァイオリンの先生方に、変な楽器を持ち込む生徒が増えてきているので何とかしてほしいという要望に応えてです。
有名楽器店に仕事柄立ち寄ることもありますが、置いてある楽器もひどいものも多くあり、特に「初心者向け」と書いてあるものは目も当てられません。良いものをそもそも置いていない楽器店も数多くあります。信じられないかもしれませんが、それが現実です。それでもなぜ売れるのか?それは先生を通して買わないから、よくわからない、だから広告や看板につられて初心者が買いに行きます。お店も初心者なのでそうなるとお客さんはまな板の上の鯉です。
「これは初心者向けですよ5万円で全部入っています!」
「20万円のところが10万円!お得ですよ!」
そして購入すると、教室で先生に嫌な顔をされて、また買い替える羽目に・・・当然、音もよくないので踏んだり蹴ったりです。
そうすると当然、「この楽器は初心者向けだから、もう少し上のやつを買わないとね」となりまた購入するでしょう、それが楽器店の狙いなんです。最初からそこそこの物を購入しておけば、トータルで安くなるんです。
よい楽器であれば、上達が早い!
先生レッスンに最も適した楽器を選んでいただける為、先生のレッスンでのポイントポイントで、ご自身の動きにしっかりとフィットして楽器が鳴ってくれます。これが、良くない楽器である場合、きちんと鳴ってくれなかったりします。ピアノや管楽器とは違い、特にバイオリンはそれが顕著な楽器でして、ダメな楽器はどれだけ練習してもさっぱり上達しないということが往々にしてあります。 先生がいくら指導しても、生徒さんが頑張っても、上達しない。これほどむなしいことは、教えていてありません。
先生に相談するメリット
楽器に何かあっても、すぐに先生が楽器店なり教室に連絡を取ってくださったり先生が簡単な調整などであればやってくださいます。これが、楽器店だと初心者だから~と微妙な安い楽器を勧められて買ってしまったり、逆に恐ろしくぼったくられたり。鑑定書があるから安心等と吹き込まれたり。どれだけ大手の楽器店でも例外ではありません。
その点、先生には「先生の名前」があります。これは「名前を汚すわけにはいかない」ということです。だからこそ、きちんと選び、きちんとご紹介しているのです。
楽器店は売ったら終わりです。しかし先生は愛情をもって生徒に指導しています。悪意をもって売りつける先生なんてほとんどいないはず。少なくともミナトの先生にはそんな方はいません。
ネットであれ楽器店であり、売れたら終わり。先生は今後も付き合っていく存在です。
何度も繰り返し書きますが、先生と一緒に楽器を選んでください。
様々な購入経路と、本当にあった失敗談
× ひとりで楽器店で購入
大手の楽器店で、店員のヴァイオリニストにお勧めされて、「初心者ならこれでいいですよ」と7万円程度で購入。しかしその後、やはりミナトで他の楽器を見たら新しい楽器が欲しくなり、買い替え。数か月しか使っていないのにゴミに。
また、ミナトであれば60万円程度の物を300万円で購入されてらした方も…。
(気の毒すぎて本人にはとても言えませんでした)
× ヤフオクやメルカリで購入
楽器店で見たよさそうなものを、ネットで購入。最安値で購入したのはいいものの、中身が傷んでいて、楽器店にもっていったら修理代が購入費用より高くついたので結局 新しく買う羽目に。
バイオリンは特に、同じ型番であればいいというものではないのです。個体差が非常に大きくあります。また初心者にはよい音に聴こえる楽器を楽器店で買わされたりと、本当その楽器の音の引き出し方を知らない初心者が先生の助力なしに選ぶことは、はっきり言って不可能です。
最近でも、楽器店が販売していてネットで最安値だから購入したら届かなかった、等の被害が相次いでいます。インターネット取引はもともと危険であり、かつ楽器には同じ型番でもそれぞれ当たりはずれ、また調整の必要有無、見えない傷の可能性などが多数潜んでいます。
同じ型番の本体、弓でも、制作者でも、ひとつひとつ全然違うのです。楽器は手に取って弾いてみなければわかりません。
以上の理由から、インターネットはお勧めしません。1枚が何十万円もする勝率の低い宝くじのようなものです。
先生と、一緒に、楽器は、先生が信頼する購入経路から購入してください!
よい楽器を賢く購入してもらう為に
本当は、ミナトで、先生と一緒に購入していただくのが一番安心です。
私たちが選定しているので当然といえば当然ですが、本業がお教室であるため、別に専用の店舗を構えて人を雇っているわけでもないので楽器店より安く、かつ先生がきちんと選んでいるので安心してお買い求めいただけます。これから何十回何百回と顔を合わせるのですから、変なものを販売するわけにはいきませんから、特に気合を入れて先生とともにバイオリンも選定しています。実際に購入された生徒様はほぼ例外なく凄い速度で上達されておられます。発表会でこの人お上手だな~という方も、ほとんどミナトで楽器を購入されています。
少なくともミナトではそのようにしておりますので、教室で買う。これが一番お勧めの方法です。ただしそれでもなんとなく営業されているような気がするので嫌ならば別にどこで購入されても構いませんが、必ず、先生と一緒に同行して購入してください。
勝手に生徒が変な楽器を楽器店で購入してきて、怒って教えることを拒否された先生もいらっしゃいました、教えても上達しない物を持ち込んできたわけですから、怒って当然です。この辺りが理解できない方は、入会をお断りします。
安心のための、ミナトの2つの施策
前述のとおり、どうしてもミナトで購入するのはなんとなくいやだ、という場合、先生に楽器店に同行してもらいましょう。相場として1万円以上のお礼で同行してくださる可能性があると思います。可能性がある、というのはミナトは口を出せませんし先生にお願いする権利も何もありませんので、ご自身で頼んでみられてはというスタンスだからです。
ミナトでは、外部の楽器店でご覧いただく際にも安心してお選びいただくため、2つのお約束書面の提出をお願いしています。
持ち込み生徒様に、「免責承諾書」のお願いをしています
その際、ミナトの先生が選んだ楽器に何かあってもうちでは一切責任を負えないという「免責承諾書」のご提出をお願いしています。「ミナトの先生が選んだ楽器なんだから!!」と言われましても、教室と関係ない楽器に対してクレームをつけてこられても対応出来かねますので、こちらのサインをお願いしています。
ヴァイオリンは数か月に1回程度の調整と、またこまごまな不調があればその都度楽器店に有料で見てもらう必要があります。ミナトで購入された楽器には永久保証がついており、生徒でいる限りは調整、ちょっとした不調は永久に無料で保証修理を行っております。
先生に「利益を得ていないことの証明書」
また、先生が自分の知り合いの楽器店に連れて行って紹介料を取るようなことがあってはいけませんね。信じられないかもしれませんが、非常に有名な音大で、わざわざ楽器の20%までは取っていい」とガイドラインを作っている音大もあるそうです。50万円で購入したのに、お礼の1万円に加え20%の10万円、計11万円もちょっとみてもらっただけで取られてはたまりませんね。それほどヴァイオリニストと楽器店との癒着は常態化しています。
そこで、同行の際、「利益を得ていないことの証明書」という、そのお店から一切お金をいただいていないことを証明する書面の提出を、義務付けています。
もっとも結局 楽器店で割高な上、先生へのお礼もかさむので、素直にミナトで購入したほうがお得でかつランニングコストも少ないのですが、なぜかそれでも他の楽器店で買うことにこだわりをお持ちの方も多いので、生徒さんのご判断にお任せしています。
一体、いくらくらいのヴァイオリンを購入すれば?
よい楽器は価格に比例し、上達も比例する
ご予算の許す限りいいものを
いくらくらいのヴァイオリンを購入すればいいでしょう?
答えは、
ご予算の許す限りいいものを。
30万より60万、100万より200万。200万円以上だとイタリアの新作も買えてしまいます。より上を求められる方は1,000万以上の物もたくさんございます。良い楽器はほぼ価格に比例し、そしてよい楽器であればあるほど上達は早いといえます。ご予算の許す限りいいものを。というのは間違いはないと思います。
お子様の場合も小さい頃はサイズが変わってしまいますが、それでもその時期からよいものを、ということで購入される方も多いです。
そこで、ある程度の目安を書いておきたいと思います。
一般的な初心者の方
本体 30~40万円 弓10万円 程度。なお弓の価格は本体の3分の1から2分1以上の価格が良いとされています。それ以下だと、本体のポテンシャルが引き出せない為です。このレベルを購入しておけば、将来的にアンサンブルやアマオケに入っても排除されることはほぼありません。逆に、10万円程度の楽器を使用していると音が悪くなるのでアンサンブルを断られるケースもあるので、このレベルのものを最初から購入されるのがお勧めですよ。
子供だと15万円位からかなりしっかりしたものがあります。サイズ変わっちゃいますけど、そこはもう割り切っていただいて。
どうせならいい楽器が欲しい方
本体 80~120万円 弓30万円~ 程度。この価格帯になると、100年以上の時を得た、オールドという素晴らしい楽器も視野に入ってきます。値段だけ見ているとなかなかお分かりいただくのが難しいと思うのですが、弾いてみると、皆様欲しくなられます。そんな素晴らしい感動をもった楽器がこの価格帯です。
他の学習者からもまず間違いなくうらやましがられ、かつ上達も非常に早くなることが大いに期待できます。感動しますよ。
さらにいい楽器が欲しい方
前述の通り、200万円~ であれば華やかな音を奏でる、イタリア製の新作等も視野に入ってきます。完全に音大生レベル。個人的には初心者でこのレベルの楽器はまだ早いので前述の価格帯で最初は十分なのではないかと思いますが、趣味の世界ですので、お気に召すままに、という感じです。
なお子供の楽器はだいたい大人向けフルサイズの半額位と思っていただければと思います。
ヴァイオリニストからすると、1000万円程度の楽器は、「みんな持っている普通の楽器」です。
音と時間を買う、という感覚
バイオリンの魅力は、耳と目で感じ取ろう
バイオリンは、やってもやらなくてもよい方がほとんどではないでしょうか。よい楽器を買えば買うほどバイオリンが愛おしくなり、早く上達します。そこに多くをつぎ込むのか、30万円程度にしておくかはあなた次第。先生が選んだ楽器であれば、価格だけの価値は、あります。見た目だけでも芸術品のように美しいものです。
そして、なにより値段ではなく、音を実際に弾いて体感することが大切です。どこどこのだれだれが作った、等の肩書よりも、あなたにとって大切なのは、「どういう音を奏でてくれるか」ではないでしょうか。やっぱり音を聴いてみるとほぼ価格に比例していることがお分かりになられるはずです。
良いヴァイオリンを買うと、早く上達する
ヴァイオリンの金額は適当に付けられているわけではありません。良い楽器であれば良い音がするだけでなく響きによりやる気が出るというモチベーションの問題、そして音が鳴る楽器であると、トナリゼーション(共鳴)がよく聞こえます。これが良く聞こえることで音程が取りやすくなる、結果上達につながります。
弓はもっと顕著で、例えば100時間練習にかかる箇所が、よい弓であれば1時間で出来ます。ピアノのように、平等に努力すれば伸びる世界ではありません。良い楽器を持てば倍速どころか10倍速で上達する、それがヴァイオリンという楽器です。プロからすればこれは共通認識です。
バイオリンが欲しくなったら、ぜひ先生にまずは相談し、値段や楽器のバックグラウンドは出来るだけ最初は触れず、その楽器の音に耳を傾けてみてください。
奥深い、あなたの魅了してやまない、素晴らしいバイオリンの世界の深淵が垣間見ることが出来ると思います。
まとめ
最初から強烈にうまくなりたいという方はミナトや先生が責任をもって良いものをご紹介いたしますのでご相談ください、それが本当は一番結果的に安くつき短い練習時間で早く上達します。高い良いものを買えば短い時間で済み、時に10倍以上のスピードで上達します。そういう楽器なので仕方が無いです。
とは言いましても、そんなに最初に何十万円も、と思われるのもごもっとも。そういう場合は、無理して買わないでください、ミナトには2000円台からの格安ヴァイオリンレンタルから、何十万円レベルの物をレンタ毎月1万円できる、ハイグレードヴァイオリンレンタルもございます。
欲しい気持ちはぐっと抑えて、レッスンを始めるまでは買わずに、手ぶらでお越しになられてはいかがでしょう?